東京芸術大学の実技試験は、一次試験と二次試験があります。
今回ご紹介するデザイン科は、一次試験がデッサン、二次試験は色彩と立体です。
今年度の一次試験、石膏デッサンはモリエールでした。
ちなみにモリエールは17世紀フランスの俳優、劇作家で、コルネイユ、ラシーヌとともに古典主義の3大作家の一人。「人間嫌い」「病は気から」など鋭い風刺を効かせた優れた喜劇を制作した人物です。石膏像のモリエールはかつらをつけています。ちょっと驚きですが、当時のヨーロッパの社交場では、かつらの着用は男性の身だしなみ、オシャレだったようです。
下の2枚のデッサンは、今年、埼玉美術学院から東京芸術大学デザイン科に合格した2名の石膏デッサンです。実際の試験の時と同じ角度、同じような光の設定で再現してもらいました。
次の2枚は、二次試験の色彩構成の入試再現作品です。
サザエ、ユリ、針金の構成です。ここ数年の出題は言葉のイメージがあったり、ひねった出題が続いていましたが、今年は一昔前の出題傾向のような趣でした。
しかし、くれぐれも…この傾向が続くとは限らないので、要注意です。
入試再現作品や参考作品は、美術予備校にとって生徒たちを合格へと導くための貴重な財産です。当学院のOB/OGの作品を中心に、時には他予備校出身者にもデモンストレーションをしてもらったりなど、幅広い観点から作品を収集しています。
以下URLより、今回の作品を描いてくれた2名の体験談につながりますので、興味のある方は是非のぞいてみてください。
http://saibi-art.ac.jp/?page_id=1572