こんにちは。
最近は日の長さが一気に短くなり、時間が経つのが早く感じる季節になりました。
受験科の作品制作も実際の試験時間や課題に則したものが増え、受験に向けてアトリエの緊張感が高まってきています。
さて今日はそんなアトリエの様子ではなく、たまには道具のことを書こうかと思い、自分が受験生の頃から使い続けている鉛筆を撮ってみました。
この薄汚れたペンケースは、かれこれ12年近く使っているものです。
自分が受験で使っていた実物です。実際試験に持っていったのもほぼこれだけ。シンプルながらこだわりのある道具です。
中身はこんな感じ。青くてかっこいいステッドラーの鉛筆、金帯が豪華なハイユニがメインでした。
それとカッターは金属製のもの。擦筆はこれ一本で、練りゴムはこれともうちょっと古びたものと、新品がほんのちょっと。
カッターの刃は30°。この角度が切れ味が良いような気がして愛用してました。
このカッターで削るとこんな感じにシャープに削れます!(気のせい)
木の部分と芯の長さは真ん中のやつのバランスで削ります。長さが変わると寝かせた時などに描き心地に差が出る気がして、自然と同じ長さに揃えてましたね。
友人の中には紙やすりや研芯機を使ってものすごーく綺麗に仕上げている人もいたけれど、そこまではやらないくらいのこだわりでしたけど。
ステッドラーにまつわる話をひとつ。
この2本、違いが分かりますか?
芯の硬さを表す記号の書体が違っています。この2本それぞれ製造時期が違うのですが、描いた感じが全く違います。もう別のメーカーっていうくらい違います。
ステッドラーは何年か前に製造方法だか原料だかが変わるよ。というアナウンスがあって以来、まったくの別物へと変化してしまいました。
そのため当時は一部こだわりのある人は古いものを探しまわっていたのは懐かしい思い出です。
僕自身も新しいステッドラーにはどうにも馴染めず、今でも古いものを大事に使っています。
みなさんは自分の持っている道具にこだわりはありますか?
出来上がるものが良ければ、道具は関係ない!という意見もありますが、そういう人も漏れなく自覚なくこだわっていたりしています。
自分がどんな道具をつかっているのか。
なぜその道具がちょうど良いのか。
自覚するだけで作品の質は上がっていきます。たくさん枚数を描かなくても、たくさん時間をかけて描かなくても、ちょっと見直すだけで作品はすぐに変化します。
時間が出来た時にでも、ちょっと語れるくらいのこだわりを自分の道具たちから見出してあげてください。
塚田